庚申塔の形と種類(文字塔・図像塔・板碑型)

庚申塔(こうしんとう)には決まった形がありません。

大きく2つの軸で整理できます。

① 何が刻まれているか … 文字塔 / 図像塔
② 石そのものの形   … 板碑型 / 角柱型 / 自然石 など

① 何が刻まれているか

文字塔

・「庚申」「庚申塔」「庚申供養塔」
・「青面金剛」と文字で書いたもの
・「猿田彦大神」と書いたもの(→ 猿田彦と庚申信仰)

像が無いぶん、造るのが早く、安いです。

図像塔

・[青面金剛](/shoumen-kongou/)
・[三猿](/sanzaru/)
・[日月・鶏](/nichigetsu/)
・[ショケラ](/shokera/)・[邪鬼](/jaki/)

彫るのに手間と費用がかかります。


時代の傾向

一般に、次のような傾向があるとされています。

初期 … 図像塔が多い
後期 … 文字塔が増える

理由として説明されるもの:

・費用を抑えられる
・造立の数が増え、簡略化が進んだ
・神道系の要素(猿田彦)が入った

ただし地域差が大きいです。 このサイトでは断定せず、地域の調査資料で確認する必要があると書いておきます。


② 石そのものの形

形特徴
板碑型(いたびがた)平たい板状。上部が三角に尖る形が多い
角柱型四角い柱状。文字塔に多い
舟形(ふながた)上部が丸い。像を彫るのに向く
笠付き型上に屋根状の笠が乗る
自然石加工せず、自然の石に文字を刻む

同じ地域でも複数の形が混在します。


大きさ

・膝ほどの高さのもの
・人の背丈を超えるもの
・台座を含めるとかなり大きくなる例もある

大きさは、講の規模や財力を反映していると考えられます。

ただしこれは推測です。 断定するには、地域の調査資料と突き合わせる必要があります。


「石仏」と呼びにくい理由

庚申塔を「石仏」と呼ぶことがありますが、厳密には合いません。

・文字塔は像ですらない
・青面金剛は仏教の尊格として位置づけが複雑(→ 青面金剛とは)
・猿田彦を刻んだものは神道系

「石造物」「石造文化財」のほうが広く使える語です。

自治体の文化財リストでも、こちらの表記が多いです。


見分けるときの順番

① 文字を読む → 「庚申」があれば庚申塔
② 三猿を探す → あればほぼ庚申塔
③ 青面金剛の姿を確認する
④ 風化して読めないなら、それでよい

④を書いておきます。

分類が確定していない石造物は実際に存在します。 自治体の資料でも「不詳」とされているものがあります。


まとめ

  • 決まった形はありません
  • 軸は2つ。文字塔/図像塔 と 板碑型/角柱型/舟形/笠付き/自然石
  • 一般に初期は図像塔、後期は文字塔が増えるとされる(地域差が大きい)
  • 大きさは膝ほどから背丈を超えるものまで。講の規模を反映している可能性
  • **「石仏」より「石造物」**のほうが広く使える語です
  • 風化して分類できないものは実際にあります

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