庚申塔の年号を西暦に直す
庚申塔(こうしんとう)に刻まれた造立年は、元号で書かれています。
例:「寛政十二年 庚申 十一月吉日」
これを西暦に直す手順を書きます。
基本の手順
① 元号と年数を読む … 「寛政十二年」
② 元号の開始年(西暦)を調べる
③ 足し算する
②は暦の一覧表や年号対照表で調べます。 このサイトでは個別の元号の年を書きません(誤記が流通するため)。
干支が手がかりになる
庚申塔には干支が併記されていることが多いです。
「寛政十二年 庚申」
↑
この年の干支
これが検算になります。
・元号から出した西暦の干支を確認する
・一致しなければ、読み間違えている可能性がある
とくに漢数字の読み間違いが起きやすいです。
「十二」を「十三」と読む
「元年」を「二年」と読む
干支と突き合わせると、こうした間違いに気づけます。
「庚申」の年に建てられたもの
干支が「庚申」になっている塔があります。
・[庚申の年は60年に一度](/koushin-no-hi/)
・節目の年として、造立が集中する傾向がある
この場合、干支そのものが年代を絞る手がかりになります。
庚申の年 → 60年おき
→ 元号と組み合わせれば、1つに定まる
「吉日」について
「十一月吉日」
「吉日」は日付を特定しない書き方です。
・具体的な日を書かない
・縁起のよい日、という意味
・石塔ではよく使われる
日まで特定できないことが多いと考えてよいです。
読みにくい漢数字
廿(にじゅう)… 二十
卅(さんじゅう)… 三十
元(がん)… 元年=1年目
「廿」は頻出です。「廿三夜塔」なども同じ字を使います (→ 二十三夜塔との違い)。
読めないとき
自治体の資料を見るのが早いです。
・市区町村の文化財リスト
・石造物の悉皆調査報告書
銘文が活字に起こされていることが多いです(→ 文字を読む)。
読めない文字は、たいてい先に誰かが読んでいます。
年代が分かると見えること
造立年が分かると、庚申塔の見え方が変わります。
・江戸期のどのあたりか
・同じ地域の他の塔と比べて、早いか遅いか
・図像塔から文字塔へ移る時期と重なるか(→ 形と種類)
複数の塔の年代を並べると、 その地域で庚申信仰がいつ盛んだったかが見えてきます。
まとめ
- 造立年は元号で刻まれています
- 手順は元号を読む → 開始年を調べる → 足す
- **干支が併記されていることが多いです。**これが検算になります
- 漢数字の読み間違いが起きやすいです。干支と突き合わせます
- 「庚申」の年に建てられた塔があります。60年おきなので年代を絞れます
- 「吉日」は日付を特定しない書き方
- 「廿」=二十。頻出します
- 読めないなら自治体の調査報告書に活字化されていることが多いです