庚申塔を調べるための資料と本
庚申塔(こうしんとう)は、資料の当たり方が独特です。
市販の本より、自治体が出したものが強いです。
① 自治体の石造物調査報告書 最強
・「◯◯市石造物調査報告書」
・「◯◯町の石仏」
・市区町村史の【民俗編】
何が載っているか:
□ 所在地
□ 造立年(活字に起こしてある)
□ 銘文の全文
□ 図像の記述
□ 寸法
□ 写真・実測図
「読めなかった文字」は、たいてい先に誰かが読んでいます。
入手方法:
・図書館の郷土資料コーナー ← いちばん確実
・自治体の文化財担当課
・一部はPDFで公開されている
・市販されていないことが多い
② 博物館・資料館
・都道府県立・市立の博物館
・郷土資料館
・民俗資料館
常設展示の解説パネルの質が高いことがあります。
Webサイトに解説を載せている館もあります。
③ 自治体の文化財一覧(Web)
「(市区町村名)文化財 一覧」
→ 指定文化財の庚申塔が載る
→ 所在地・造立年・解説
手軽ですが、指定されているものしか載りません。
指定されていない庚申塔のほうが圧倒的に多いです(→ 文化財に指定されている場合)。
④ 庚申信仰の研究書
民俗学の分野に蓄積があります。
・庚申信仰そのものを扱った研究書
・石仏・石造物の概説書
・民俗学の講座もの
古い本が多いです。図書館で探すことになります。
注意:
・研究の進展で更新されている記述がある
・「最古」「最多」などの数字は出版年を見る
⑤ 石仏の見方の本
・図像の読み方を扱った本
・持ち物・印相の解説
・石造物全般の入門書
何から始めるか
順番を書きます。
① 自分の市区町村の文化財一覧をWebで見る
② 図書館の郷土資料コーナーへ行く
③ 市区町村史の民俗編を引く
④ 石造物調査報告書があるか司書に聞く ← これが早い
⑤ 隣の市町村の資料も見る
④を勧めます。
郷土資料は検索で出てこないことがあります。 司書に「石造物の調査報告書はありますか」と聞くのが最短です。
⑤も効きます。 1つの自治体の資料は自分の市の話しかしません。 隣と比べて初めて、その地域の特徴が見えます(→ 多い地域と、その理由)。
遠方の資料館へ行くなら
地域型を見に行くと、資料も現物も一度に得られます。
・その地域の博物館で図録を買う
・現地の庚申塔を見る
・自治体の文化財担当課に資料の所在を聞く
自分の記録も資料になる
・撮影日・場所・銘文・図像を記録する
・読めなかった箇所も書き残す
・自治体の文化財担当課に情報提供する
未把握の石造物が見つかることは実際にあります。
まとめ
- **自治体の石造物調査報告書がいちばん強いです。**銘文が活字化されています
- 入手は図書館の郷土資料コーナー。市販されていないことが多いです
- 博物館・資料館の解説の質が高いことがあります
- Web の文化財一覧は手軽ですが、指定されたものしか載りません
- 研究書は**出版年を見ます。**数字は更新されています
- 始める順番はWeb一覧 → 図書館 → 市区町村史民俗編 → 司書に聞く → 隣の市町村
- **司書に聞くのが最短です。**郷土資料は検索で出てこないことがあります
- **自分の記録も資料になります。**未把握のものは実際に見つかります