ショケラとは何か──青面金剛が手に提げているもの
庚申塔(こうしんとう)の青面金剛を見ていると、 手に人型のものを提げていることがあります。
髪をつかんで、ぶら下げています。
これをショケラといいます。
どう見えるか
・小さな人の姿
・髪をつかまれて、ぶら下げられている
・女性の姿で表されることが多いとされる
・手を合わせている形もある
初めて見ると、かなり異様に見えます。 仏教の像で「人をぶら下げている」ものは珍しいです。
何なのか:確定した説明が無い
これがショケラの特徴です。
複数の説明が伝わっていますが、どれも確定していません。
① 三尸の虫を表す
[三尸](/sanshi/)を人の形で表したもの、という説明
→ 青面金剛が三尸を捕らえている姿になる
→ 庚申信仰の文脈と最も噛み合う
② 人間の煩悩・罪を表す
人が犯した罪そのものを、青面金剛が捕らえている
③ 「ショケラ」という語の由来から
・「青蛙(しょうけら)」説
・経典に由来する語とする説
・仏教用語の転訛とする説
語源についても諸説あります。
このサイトでの扱い
◎ 書けること … 「複数の説明が伝わっている」「確定していない」
✕ 書かないこと … 「ショケラとは◯◯である」という断定
典拠が確認できないものを断定しません(ng-rules.md 6章/articles.md 方針④)。
現地の案内板でも「詳細不詳」とされていることがあります。
地域差・時代差
・ショケラを提げていない青面金剛も多い
・提げている手が違う(左手・右手)
・姿の表現に幅がある(女性/性別不明/獣に近い形)
これがめぐる面白さでもあります(→ めぐりの始め方)。
同じ主題でも、造った石工と地域で表現が違います。
見分けのポイント
ショケラがあれば、ほぼ青面金剛です。
・他の尊格で「人をぶら下げている」形は少ない
・ただし無くても青面金剛ではある
三猿と同じ関係です。
あれば → ほぼ庚申塔
無くても → 庚申塔ではある
「分からない」ことの記録
このサイトの方針として書いておきます。
石造物には、分類も意味も確定していないものが実際に存在します。
・風化して図像が読めない
・地域独自の表現で、他に類例が無い
・記録が残っていない
「分からない」と書けることも記事の価値だと考えます。
確定した説明があるように書くほうが、資料としては劣ります。
まとめ
- ショケラは青面金剛が髪をつかんでぶら下げている人型のもの
- **確定した説明が無いです。**複数の説が伝わっています
- 説は3系統。三尸を表す/罪を表す/語源からの説明
- とくに三尸説が庚申信仰の文脈と噛み合います
- 語源についても諸説あります
- **無い青面金剛も多いです。**地域差・時代差が大きいです
- 「分からない」と書けることも記事の価値になります